マイ・オピニオン
日々の実習指導で思う
下林 周子
1
1順天堂高等看護学校本科
pp.1217
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918029
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学生の実習指導をしながら,時々基本的な生活の援助活動について考えさせらている.患者の衣食住,清潔・排泄などの行動の援助は看護婦の基本的活動であるといわれて久しい.しかし最近,清拭を学生が患者から拒否されることが続いた.患者に聞くと‘病棟のやり方と違うから’という答えが返ってきた.もちろんその意味のなかには,学生の技術が稚拙であることも含まれていようが,この場合は石けんを使う使わないという点だけであった,また‘アカが出て恥ずかしい’と言われたり,‘清拭は火曜と金曜です’と言われてしおしおと帰ってくることさえある.
このような患者の反応は,環境整備や食事などにも見られる.時には患者に‘いつもはそんなふうにしないわよ’と言われ,何か誤ったことをしたのかとすくみあがる学生もいる.学生は真剣に,患者にとって良い方法をと工夫して行うのだが…….
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