私はこう教えている
指導案に思う
若菜 キミ
1
1東京大学医学部付属病院内科
pp.30
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905290
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この度,泌尿器系疾患看護の教案をみせていただきまして,私の感じましたことを2,3のべさせていただきます。まず本疾患看護に5〜6時間をついやして行なうには疾患の看護を2,3つけ加えられたらよいと思います。たとえば,主要疾患の看護法は急性腎炎だけでなく,慢性腎炎,ネフローゼ症候群,尿毒症,腎孟炎などを加え,その特徴とするものの要点をまとめてはいかがでしょうか。
解剖生理と疾患の分類を復習の意味でとりあげ,急性腎炎の実在のチャートを展示して講義を展開することは,学生に興味をもたせ,非常に効果的なあり方だと思います。実際には急性腎炎の入院症例は案外少ないと思われますので,慢性腎炎,ネフローゼ症候群,尿毒症などもこの方法ですすめていかれるとよいでしょう。また看護の原則をくわしくなさるなら,始めにもっていって各疾患の看護にはいったほうがよいし,もし一番後にまとめの意味で打ち出すなら各疾患に関連をもたせて簡潔にかかげるとよいと思いました。そして普通一般に行なわれる腎機能検査のうち,クリアランス,PSP,濃縮テスト,腎生検,腎孟撮影などいくつかをあげ,検査と看護婦の役割のようなものを関連づけることも必要です。
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