グラフ
来られないのなら出かけて行こう—豪雪の福井で訪問看護を続ける光陽診療所
奥出 なみ子
,
岩下 守
,
本誌
pp.492-497
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919228
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‘56豪雪’と言われるほどの近来にない大雪が年末から正月にかけて,東北・北陸地方を襲った,ここ福井でも,例年だと1回ですむ屋根の雪おろしをもう3回もしなければならないほどであった.
外来診療のみで入院患者をとらない医療生協光陽診療所(所長・大門和,福井市光陽町)では,豪雪時,外来患者がガタッと減り半分以下になってしまった.車で来ようにも道が雪で通れなくなり,除雪された幹線道路を通って来たとしても,診療所の駐車場が雪で埋まってしまっている.歩いて来ようにも年寄りや子供はとても歩けない状態であった.
そこで,雪のため診療所に来たくても来られない入がいるなちば,こちらから出かけて行こう,そのために診療所はある,とカルテを見て薬が切れている人などを探して訪問した.もちろん車は使えないため,診療所牟らあまり遠くない患者宅ばかりだったがこの雪の中をよく来てくれたと,とても喜ばれた,ただ,まだ訪問蕎護それ自体があまり理解されておちず,玄関わきの4mもの雪を越えて訪閣した家では,患者さんが恐縮してしまって玄関先で体の状態を聞くだけで帰らなければならないようなこともあった.
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