マイ・オピニオン
准看廃止議論の応酬に思う
斎藤 敏昭
1
1秋の宮温泉病院
pp.1249
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919106
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我々は,本紙を素材として,毎号,学び批判し,そして話し合いの場を,集団でまたは個人で持つことを習慣としています.日夜絶えることなく続けられる医療の,チームメンバーの中には,看護婦もあり准看護婦もあります.私は,医師の立場として,本誌1980年8月号‘マイ・オピニオン’欄での道廣睦子さんの論旨に,いろいろの意味で強力に引かれるものを感じました.そしてそれに続く10月号,11月号の‘マイ・オピニオン’を読むにつれ,その感を更に深くせざるを得なかったのです.
看護業務に携わる人の資格の一本化に関する議論は,当初はそれぞれの立場から激しく行われていたようでしたが,ここ2年くらい前からは,どうも准看廃止論のみが圧倒的であり,ともすれば本質的な問題点から遠く離れた場での議論のみがすべてを制圧したような感すら抱かざるをえないようです.そのような時代的背景の中にあっての道廣さんの論旨の,最も人をしてうならせるものは,准看教育の立場にある教務主任としての,日常生活体験から得られたありのままの感じを,素直に,しかもなにびとに対しても遠慮することなく述べていることです.根本的には准看廃止に賛成されながらも,やはりその前に解决しなければならない現場の諸々の問題を,赤裸々な姿においてとらえ,提案していることであろうと思います.
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