ナーシングホーム アメリカ合衆国の医療と看護の実態・5
ナーシングホームの歴史
岡本 祐三
1
1阪南中央病院内科
pp.523-527
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918957
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ナーシングホームの発展した理由
ナーシングホームという中間的な医療施設が,どうしてアメリカにこのように発展したのでしょうか.これまでにも述べてきたように,ナーシングホームの経営が事業として採算がとれるようになったこと,あるいは病院医療費のコストを下げるため,この十数年間にナーシングホームのベッド数が急増してきたのはもちろん事実であります.けれども,それ以前にも相当数のこのような施設が作られ,既に存在してきたのはどういう事情によるのでしょうか.
ひとつは,アメリカの老人問題の反映,すなわち老人が身体不自由になった場合,若い世代が家に引き取って面倒をみるということが,今世紀の初めごろから非常に少なくなってしまったということです.第2は,アメリカの医療・看護におけるPPC(Progressive Patient Care)の考え方の徹底,合理化の追求です.第3には,もともと一種の救貧施設として,このようなタイプの施設が以前から作られてきた,ということになると思います.
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