マイ・オピニオン
2人の看護の先輩に接して
鈴木 明子
1
1稲田登戸病院
pp.465
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918946
- 有料閲覧
- 文献概要
私が助産婦学校を卒業してから,もう4年が過ぎた.あっという間の4年間だった.その早い流れの中で,多くのかたがたと出会うことができた.それは,陣痛に苦しむ産婦さんであったり,子育てに走り回っている母親であったり,私と同じ助産婦の大先輩であったりした.そしていま思うことは,‘この4年間何をしてきたのだろう’という自分自身への問いかけである.
私の知り得た人たちは,いつも生き生きとしていた.おのれの信念をもって,いつも前向きに生きていた.前向きに生きるということは,絶えず自分をみがいていることだとも言える.なかでも私は,すばらしい2人の助産婦の先輩を知る機会を得た.1人は,40年来,母乳をとおして,多くの悩める母と子のために手を貸し,尽くしてこられたかたであり,もう1人は,分娩は自然の営みだから,無理をせず自分の持つ力を生かして,楽しくよいお産を夫婦共にしてもらおうと,産婦さんに働きかけているかたである.この2人に共通していることは,自然の行為を大切にしていること,絶えず自分をみがこうという姿勢をもっていることである.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.