らいを超えて・7
下位のおばさん(2)—恵の鐘
前浜 政子
1
1長島愛生園
pp.748-751
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918722
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入園番号
らい療養所の患者は1人1人‘入園番号’というものをつけられている.それは自分の姓名とともに,忘れてしまっては所内の生活に支障をきたすようになっている.長島愛生園の入園番号の一番新しいナンバーは6858であるが(1978年12月25日現在),このなんでもない数字の1つ1つは,らい患者として生きた1人の人間の,長い,あるいは短い歳月なのだ.
長島愛生園の入園番号では,1-81番までを‘開拓患者’という.彼らは最も早い入所者であったというだけでなく,日本最初の国立らい療養所としての長島愛生園が,昭和5年11月20日に開園したとき,園の基礎を築くために,初代園長光田健輔氏によって,東京府下北多摩郡にあった公立多磨全生園の,1000名の入所者の中から選抜されてきた人たちである.
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