Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ノートルダムの鐘」―見えるのは時代が欲望するヒーロー
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.1199
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108267
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1981年の興行収入ベストワン映画「エレファントマン」を見た方なら覚えているでしょう.19世紀ロンドンの見世物小屋には“フリークス”と書かれた看板がでていました.見世物になっていた障害者を総称する言葉で,“奇形者たち”ということでしょうか.
ディズニーアニメの新作「ノートルダムの鐘」は,ヴィクトル・ユーゴーの原作で,これまでも「ノートルダムのせむし男」といったタイトルで何度か映画化されてきました.今は,“せむし男”といった言葉は差別語ですから使われることはないでしょう.プレスシートでも,「容貌を嫌ったフロローはカジモドを大聖堂の鐘楼に閉じ込め,……」といった言い方です.たとえば,“醜い容貌”といったように容貌を形容する言葉をいっさい使っていないのです.このようなことにも時代の流れを感じさせます.
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