研究と報告
経口摂取できない患者への食事の援助—食道癌患者の胃瘻食を中心に
竹内 まち子
1
,
小林 律子
1
,
菊地 春子
1
,
阿部 令子
1
1国立札幌病院放射線科病棟
pp.1192-1195
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918541
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はじめに
食道癌に対し,放射線療法が著しい効果をあげていることは周知のとおりである.しかし,進行癌で発見された状態では,延命のための治療が主となり,胃瘻造設を余儀なくされるケースがある.人間にとって,基本的欲求のひとつでもある.‘食べること’が遮断され,経管栄養食に頼らざるを得ない生理的,心理的苦痛は生命維持にさえ障害を及ぼす.このような患者に対して,なんとか食べさせたい,食べられる方法はないのか,と考えた.
そこで,注入物に分粥を利用し,食事本来のもつ形に近づけることにより,人間が生存するためにもつ欲求(食欲,飢餓感,空腹感,口に含み味わってみたい)を刺激し,このことが,消化吸収作用をも促進させ,体力の増強につながるであろうと考えた.そして以上のような,精神的・肉体的充実を目標のもとに,胃瘻造設患者13例の看護を経験し,成果をみたので報告する.
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