特集 痛みつづける患者への援助
予後不良な子どもの痛み
森川 紀代子
1
1神奈川県立こども医療センター
pp.607-611
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918415
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
子どもの痛み
子どもの痛みを的確に知ることは,親にとっても,また看護婦や医師にとってもたいへん難しい.大人と大きく違うところは,いつからどの場所にどんな痛みがあるか,どんな時に痛いかうまく表現できないからです.
子どもの痛みは,‘痛い’という一言であったり,泣くことであったり,何も言わないで跛行していたり,運動制限であったり,動きが少なくなったり,不きげんであったり,不安状態であったりするからです.またよほどのことがないと,持続する痛みがあっても遊んでいたり,動き回っていて訴えてこないのです.でも痛覚が発達していないからとは思えないのです.なぜなら,1000gくらいの未熟児でも新生児でも,採血のため針を刺すと,すぐ泣いて抵抗することを知っていますから.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.