ベーチェット病の看護学生の日記・5
希望があるうちはいい
安藤 より子
1
1順天堂高等看護学校
pp.1196-1199
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918025
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1月30日
包交の時,痛いと言って,体を横に動かしたら‘我慢しなさい’と言われた.ドレーンの中を探っれるのは痛い.痛いだろうと思って体全体で構えているから,瞬間の痛みで体が跳ねるのだ.それだけ回復してきたのだと思う.‘本当に痛いんだったら本物の肉芽ではないということだから,それなりの処置を考えなくちゃ’と医師が言った.医師の手の動きをじっと見ながら,力を抜いて痛くないのだと言い聞かせる.耐えるというのはつらい.若い子はやっぱりオーバーなんだなあと笑いながら医師は出て行った.おへそから10cmくらいキズがパックリと開いている.ホルムガーゼを詰め込むときが最も痛い.ドレーンの中を洗浄するときも.私の1日は,包交の処置から早く解放されたいと願う気持ちで終わる.恐怖の時間だから.
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