寝たきり老人の訪問看護
退院
島田 妙子
1
1東京白十字病院
pp.1194-1195
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918024
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入院していた人が退院する.これだけを聞くと,退院できてよかったね,と思うのは私だけではないでしょう.退院することになったということは,元気になったんだな,治ったんだね──と単純に考えるのはごく常識的なことだと思います.
入院の目的が‘病気を治す’ことであるとするならば,退院はその目的が果たされたものと考えられますが,しかし,退院の内容が祝福されることばかりだったらどんなにいいでしょう.老人にとっては元どおりの健康は取りもどせなくても,制約された生活から解放され,多少の不便は残っても,自分の力で身の回りのことができるだけでも,まだ幸せというものかもしれません.
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