特集1 看護学生の論文―優秀賞・入選論文の発表
看護学生の論文11編
希望
椎名 君枝
1
1日立メディカルセンター看護学院看護科
pp.610-611
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100090
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- 文献概要
私は看護学校に進学する前に,病院で看護助手として働いていました。その頃は医療知識はゼロに等しい状態でしたが,さまざまな患者さんと出会うことができました。なかでも,Aさんのことは今でも忘れられない思い出となっています。
Aさんは,医師から「絶対に歩くことができない」と診断されていました。家族さえも諦めている様子でした。そんなAさんに対して,看護師は車椅子の購入を勧めていました。家族もそれに同意していましたが,Aさんは医師の診断結果にもめげず,「絶対に歩く!」と言っていました。Aさんは,医師の言葉に腹を立てていて,いつも私に愚痴をこぼしていました。私も「Aさんは歩けない」とは思えず,「絶対に歩く!」という想いが叶うものだと信じて応援していました。
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