ベッドサイドの看護
日常生活範囲の拡大への援助—盲目の老人透析患者の場合
吉川 ふみ子
1
1神奈川県立看護教育大学校専門看護学科人工透析看護課程
pp.1045-1049
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917992
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はじめに
近年人間の平均寿命が急速に伸び,日本においても昭和49年には男71.16歳,女76.31歳となって,65歳以上の人口の割合は7.7%となり,欧米諸国のそれよりは下回ってはいるが,老年人口の増大傾向が始まっており,老人の問題を社会全体の問題として考えていくことが課題となっている.
今日の日本のように,核家族化の進行,高齢者の就業困難,社会福祉の問題などの種々の社会事情を背景に,多くの老人がその持つ知識や経験,能力を社会に活用する場も少なく,余暇活動や家庭の中で‘生きがい’を見つけることも難しい.更に‘身体的・精神的諸機能の衰退により,り患率が高くなり,有病老人となることにより,ますます‘生きがい’は見つけにくくなることだと思う.
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