特集 老人の在宅ケア(2)各職種の取り組み
<ソーシャルワーカーの立場から>
老人のトータルな生活援助をめざして
加瀬 裕子
1
1日本社会事業学校
pp.904-907
発行日 1988年10月10日
Published Date 1988/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207620
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はじめに
武蔵野市福祉公社が,全国に先駆けて有償在宅サービスを開始して,満7年になる。制度についての詳しい話は,いくつかの本が刊行されついるので,必要な方は参照してほしい。ここでは,公社のサービスが,実費を負担してもらう型でトータルケア体系からなっていること,家事・介護サービスを担う協力員とは,主婦を中心とする市民グループから構成されることなどを,知っておいていただければ,事足りると思われる。
公社のソーシャルワーカーのことについては,少々説明しておきたい。利用者は月額1万円を払うことによって,ソーシャルワーカーと看護婦の定期訪問(月1回以上)を受けることができる。これに緊急時対応と訪問リハビリテーション訓練(月2回まで)を加えて,基本サービスということになる。この基本サービスを利用することが,他のサービスを受けるうえでの必要条件である。つまり,家事援助や食事サービスを受けようと思えば,基本サービス料金を払わなければならない。ここに,武蔵野市福祉公社のサービスの特徴の1つがある。老人のトータルな生活援助を前提としているのである。
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