ベッドサイドの看護
慢性神経疾患をもつ老人患者のADL拡大への援助
渡辺 加寿代
1
1北野病院
pp.1392-1395
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919419
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はじめに
慢性疾患をもつ老齢患者は,他人に迷惑をかけたくない,もう年だからこれ以上生きていても良くはならないなどの心理的葛藤が大きい.肉体的症状が出現しても,我慢し,遠慮するなどで,自分の感情をスムーズに出せず,どうにもならないと気づいた時には手遅れになっている場面をよく見かける.
さらに老化現象により全身的諸機能の低下を生じ,疾病の回復も遅く,ともすると社会復帰への意欲が失われがちとなり,不安,絶望へと進展しやすい.老齢人口がますます増加する傾向にある現在,それらの老齢患者に闘病意欲をもたせるにはどのような援助をしたらよいかは,これからの大きな課題であると思われる.
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