特集 患者の生活の場へ—訪問看護の実践
難病患者への訪問看護記録—筋萎縮性側索硬化症患者S. W. さんの死まで
杉浦 徳子
1
1在宅看護研究会
pp.458-473
発行日 1976年5月1日
Published Date 1976/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917871
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我が国の看護体制では 長期間にわたって在宅患者に対する頻回な訪問援助を行った例はまだない.
この事例は48歳で難病のため死亡した主婦S. W. さんの闘病の記録でありこの療養を支えた在宅看護研究会メンバーである看護婦の訪問援助活動の記録である.1973年12月より1974年10月まで週3回111回に及ぶ訪問援助が行われた.この活動は新しい看護分野を開拓する試みであり現在の病院における臨床看護保健婦の在宅患者および家族に対する保健指導とはかなり異なった展開をしている点が認められる.すなわち同一看護婦によって密度の濃い具体的なケアが患者および家族に提供され継続的にしかも長期にわたって行われたことである.
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