Nursing Study
頭部外傷患者に対する看護計画—その実例と実施上の諸問題について
奥田 美恵子
1
,
前川 祥子
1
,
津田 州子
1
,
矢野 尉子
1
,
大溝 佐知子
1
1奈良県立医大病院
pp.98-103
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917607
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I.はじめに
脳外科領域の疾患には小頭症や狭頭症を含めた広義の脳性小児麻痺,脳および脊髄の腫瘍,動静脈痩および動脈瘤といった脳血管障害,てんかんやパーキンソン氏病のごとき不随意運動症,脳または脊髄の外傷,その他脳水腫・脳膿瘍・末梢神経損傷など非常に多くのものが存在し,それぞれ異なった病態や治療法,ニードなどを持っている。したがってこれらのものに対する看護の実際のあり方にも脳外科領域という共通点の他に当然多くの異質の問題点を含んでいる。
さて,私たちの病棟においては昭和35年4月奈良医大第2外科教室創設以来,脳神経外科領域患者の看護記録を保存し,その看護法のあり方を種々研究してきているが1〜11),今回は昭和35年4月より昭和41年までに入院加療した800例の頭部外傷患者の資料のなかから最も代表的で基礎ともなるべきもの3例を抽出し,ニード・看護目標・看護計画などについて検討し,脳外科領域患者に対する看護計画作成の参考に供したい。また看護研究の資料として用いる場合の看護記録のあり方について私たちの考えについても論じたい。
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