特集 都市計画
千里ニュータウン医療圏計画の実施に伴う諸問題
朝倉 新太郎
1
,
百々 英明
1
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
pp.237-242
発行日 1962年4月15日
Published Date 1962/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202518
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はじめに
千里ニュー・タウンにおける保健医療組織の構想については,本誌吉武教授の論文をはじめ,すでにいくつかの報告1〜3)がなされている。千里ニュー・タウンの企画全体としてみても,その規模と内容において,わが国の都市計画上画期的なものといわれているが,とりわけこの保健医療施設の組織と運営に関する計画は,全く新しい分野を開拓するものとして広く注目をあびているところである。
さて,保健医療組織の計画も,いわゆる青写真を作るだけのことであれば,都市計画に含まれる他の諸計画に比べて,施設の立地条件や構造に特別の配慮が要るとはいえ,その道の専門家にとって技術的に格別困難なことではあるまい。保健医療サービスの需要を量および質の面にわたって推定すること,それを基礎にして各種保健医療施設の配置を考えること,個々の施設を設計することなどは,道路計画において,交通量を予測し,幹線と支線の組み合わせ,路面の巾や舗装をどうするかを決めるのと,本質もあまり変わったところはあるまい。よしんばその保健医療計画に機能面で新機軸を出すため,たとえば予防と治療の統合,病院と診療所の機能分化,病院のオープンシステム,Group Practiceなどのideaを盛り込むにしても,青写真の段階ではある程度自由に構想をえがくことが可能である。
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