病態栄養学概説・1
病態栄養学の立場と栄養障害
榊田 博
1
1日本バプテスト病院
pp.118-121
発行日 1972年1月1日
Published Date 1972/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917571
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病態栄養学の立場
栄養学には正態栄養学と病態栄養学と名づくべき2つの分野がある.前者は個体の保健,体力増進,体格改善などを目的とし,後者は病的状態における栄養現象,病態に随伴して観察される消化・吸収・代謝状況を研究し,病態での栄養の歪みを是正し疾病の進行を停止させ,ひいては治癒さすことを目的としている.
病態栄養学の領域は非常に広くかつ複雑で,まだ十分に体系づけられていない部分を多く残しているが,病態における生命の営みの秩序については,障害された代謝調節機構を究明,これによって惹起された歪みをいかに是正するかは,実に栄養学とくに病態栄養学との関連のもとに考えられねばならない.
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