リハビリテーション看護を考える・1
ナースとリハビリテーション
上田 敏
1
1東京大学リハビリテーション部
pp.122-124
発行日 1972年1月1日
Published Date 1972/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917572
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リハビリテーションにおける看護の専門性とは
いったいナースにとってリハビリテーションとは何なのか.それは本業なのか余技なのか,あるいは兼業なのか.逆にリハビリテーションにとってナースとは何なのか.それはリハビリテーションのために不可欠の存在なのか,あってもなくてもよいものかそれともあるほうが多少はましという程度なのか……このような問いかけにいかに答えるかこそが,これから1年間,私が皆さんととともに考えてみたいことである.思えばリハビリテーション看護についてのたくさんの本や論文のなかで,このような直載な問いかけはいつも何となく避けられてきたし,誰もこれらの問いに明快な答えを与えようとはしなかったのではないだろうか.
問題はリハビリテーションの普遍性と看護の専門性ということにかかっている.看護婦が専門職であるとしたら,リハビリテーションという普遍的な理念の上にたったチームの一員として,他のPTやOTなどの専門職と肩を並べて働きつつ,彼らにはない看護独自の何ものかを寄与できなければならないはずである.では,その独自なものとは何なのか.
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