マイ・オピニオン
看護教育の向上と3大栄養素
高橋 令子
1
1神戸市立高等看護学院教務課
pp.17
発行日 1972年1月1日
Published Date 1972/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917550
- 有料閲覧
- 文献概要
‘教育は第1に職業的なこと,つまり若者に仕事のやり方,それも上手なやり方についての知識を与えてやるものでなければならない.第2に若者に社会での生き方を教えるのでなければならない.そして第3に,教育は正しい価値規準を与えるものでなければならない’この3つを教育の3大栄養素と考えるという前国連事務総長ウ・タント氏の意見を読んで,何と簡明に教育の目的を言い切っていることかと感銘し,また自らを反省している昨今です.
学校教育法による学校にと願いつつも,これはそう簡単なことではなく,たとえば私の勤務する神戸市に例をとってみても,そのような理解などほど遠く,看護婦問題がクローズアップされるのは2-8闘争に起因する数的不足の解決にその源があることは,誰もが承知しています.先日,数の不足は看護婦にとって幸いであると話した人がありますが,むべなるかなです.がしかし,この時にこそ質の向上に千歳の悔いを残さぬ努力が看護教育にたずさわる者に課せられていると思うのは思い上がりでしょうか.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.