特集 医師に必要な臨床栄養学
【トピックス】
栄養素の過不足による疾患
武田 英二
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1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 臨床栄養学分野
キーワード:
栄養不良
,
感染
,
発育障害
,
肥満
,
心血管障害
Keyword:
栄養不良
,
感染
,
発育障害
,
肥満
,
心血管障害
pp.916-918
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101547
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栄養素の不足により栄養不良が,過剰により肥満が生じる.本稿では,日常診療に関連する栄養不良および肥満による疾患および症状について概説する.
栄養不良は,小児,高齢者,障害者や食欲・消化・吸収・栄養代謝障害を呈する患者にみられる.高齢者では,軽度の認知症,精神的不安定,虚弱,視力・聴力低下,歯の脱落,社会的孤立,病状の悪化により,さらに内科・外科など多様な臨床分野で栄養不良がみられる.
肥満は体内の脂肪貯蔵が過度のために,健康障害を呈する状態である.体格の指標として,成人ではBody Mass Index(BMI:体重(kg)÷身長(m)2)が用いられ,18.5以下が栄養不良で,25以上が肥満である.小児では世界的にはBMIが用いられるが,日本では小児は標準値と比較する肥満率(現体重-標準体重)÷標準体重×100(%)が用いられ,+20%以上が肥満で,-20%以下が栄養不良である.
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