Japanese
English
特集 精神疾患への栄養学的アプローチ
栄養素と脳機能
Nutrition and Brain Functions
小川 眞太朗
1
Shintaro Ogawa
1
1国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部
1Department of Behavioral Medicine, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
栄養学的精神医学
,
nutritional psychiatry
,
中枢末梢連関
,
brain-body interactions
,
プレシジョン栄養学
,
precision nutrition
,
時間栄養学
,
chrono-nutrition
,
食事様式
,
dietary pattern
Keyword:
栄養学的精神医学
,
nutritional psychiatry
,
中枢末梢連関
,
brain-body interactions
,
プレシジョン栄養学
,
precision nutrition
,
時間栄養学
,
chrono-nutrition
,
食事様式
,
dietary pattern
pp.248-255
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207208
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抄録
脳の機能や発達,調節を司るための栄養素は外界から摂取され,すべての脳機能および精神神経機能は栄養素によって支えられている。神経系の機能維持や活性物質の産生,炎症の制御,脳の構造の形成,代謝経路のつながりなどにおいて栄養素は共働し,各アミノ酸や脂肪酸,微量栄養素は多面的な役割を持つ。また,栄養のシステムは全身的に機能し,中枢と末梢との密接な連関も存在する。個人ごとの遺伝的特徴や生活状況あるいは身体状態は必要とする栄養素やその量を大きく変化させ,精神疾患の病態機序とも関連しうる。言い換えれば,適切な栄養学的アプローチによって精神疾患の予防や治療の促進などが可能となるかもしれない。精神栄養学の臨床的応用に向けて,プレシジョン(個別化/精密)栄養学や時間栄養学の視点,モニタリング,食事様式への着目などが有用な可能性がある。将来的な精神栄養学では,包括的かつ,個別化されたアプローチの重視が必要である。
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