医学講座
進行性筋ジストロフィー
野島 元雄
1
,
斎藤 肇
1
1徳島大学医学部整形外科
pp.80-85
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917528
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いとぐち
進行性筋ジストロフィーはいわゆるミオパチーの代表的疾患であり,その特徴は,1)家族的に発現する,2)筋萎縮が通常,一定部位に限局してあらわれる,しかし四肢末梢筋はおかされにくい,3)筋の神経性萎縮をみとめない,4)知覚障害がない,ことである。さらに留意すべき点は上述の骨格筋の萎縮,変性は不断に進展し,ついには全身の骨格筋,心筋も荒廃し,病臥を余儀なくされるが,かかる病変の進展を的確に阻止することができる内科的治療法がいまだ見いだされない。筋病変の進行に関しては遅速はあるが,かかる転帰のもとに不幸な運命に終るとされる疾病の一つであるということである。
著者らは,後述のごとく,本症に対しても合理的なリハビリテーションの必要性を説き,その具体的方法を提唱し経験を重ねてきたが,ここに本症の概要を述べるとともに,リハビリテーション,養護につきふれることにする。
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