Japanese
English
総説
進行性筋ジストロフィー
Progressive Muscular Dystrophy
杉田 秀夫
1
Hideo Sugita
1
1国立武蔵療養所神経センター・疾病研究第一部
1Division of Neuromuscular Research, National Center for Nervous, Mental and Muscular Disorders
pp.111-120
発行日 1986年2月1日
Published Date 1986/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205651
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I.はじめに
進行性筋ジストロフィーは遺伝性筋萎縮症のうち最も代表的な疾患であるが単一の疾患ではない。遺伝形式から大まかに分類するとX染色体性劣性遺伝形式をとるDuchenne型,またその良性型と言われるBecker型,常染色体性優性遺伝の形式をとる顔面・肩甲・上腕型,常染色性劣性の肢帯型,遠位型(三好型)などが挙げられる。これらの疾患はいずれも遺伝形式を異にしており,原因はおのずと異なっていると思われる。進行性筋ジストロフィーの病態に関する研究はDuchenne型を中心に進められて来ており,本稿でも特にDuchenne型およびBecker型について病態生理,および保因者診断,出生前診断などについて最近著しく進歩した遺伝子工学的アプローチを含め概説したい。Duchenne型筋ジストロフィーにおける筋蛋白の崩壊機構に関しては著者はすでに幾つかの総説を発表しているので詳細は他誌にゆずることにする1,2,3)。
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