Nursing Study
重症結核患者の心理と看護
谷田部 和子
1
1国立栃木療養所
pp.100-103
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917471
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看護とは,ある人間(病人であろうとなかろうと)に手助けをして,その人の健康を維持増進させあるいは健康へと回復させ,時には安らかな死に至らせてあげることに寄与する行為であり,こうしたことは,その本人が一定の強さと意志と知識を持っていれば,助けを必要としないはずのものである—V. ヘンダーソン—
臨床面における生と死の問題は,私たち看護者に限りなく多くのものを与える。たとえその人が死に直面していない場合でも,非常に重症で両側に空洞があり,どの化学療法剤も耐性がついてしまった場合,あるいは肺手術を行なったのに反対側にシューブが起きて悪化した場合,不治の合併症を併発した場合,老人性結核で全快困難と思われる場合,あるいは真菌類の疾患に罹患した場合など,その患者さんが発する言葉の一つ一つは,私たち看護者をはっとさせ,その患者さんの質問の一つ一つは,私たち患者にその場限りの慰めや励ましを許さない。
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