レポート
慢性重症肺結核患者の臨床心理について—〈第1報〉
今長 久
1
,
田沢 フサ
1
,
松原 房子
1
,
石塚 芳子
1
1国立栃木療養所重症病棟
pp.23-28
発行日 1961年12月15日
Published Date 1961/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911523
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松下博士によれば,看護学は臨床医学の1分科である。したがつて臨床医学の進歩に伴なつて看護学も発展しなければならない。しかしながら本邦における看護学は未だ学としての体系が確立されていない憾みがある。そして一般に看護学といわれているものは,主として看護技術を意味している。看護学は少なくとも次の3つの要素によつて体系化されることが必要である。すなわち第一に基礎医学全般,第二に看護技術,第三に患者の臨床における心理である。
私達は手術患者,慢性重症肺結核患者なとの看護に際し,第三に指摘されている患者の臨床心理を理解し,それに対応して看護することがいかに必要であり,またいかに困難なものであるかを日頃体験しているが,この面の研究は勿論のこと,また実際に患者の臨床心理を取り扱つている看護用のテキストが少ないことは遺憾である。
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