特集 保安処分—反医療の思想と構造
地域精神衛生活動と保安処分
冨川 孝子
1
1東京都江戸川保健所
pp.1166-1169
発行日 1974年12月1日
Published Date 1974/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917136
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Ⅰ.保安処分体制と地域精神衛生活動
刑法‘改正’にともない,刑法の中に新設されようとしている保安処分は,精神医療のもつ治安性を国家的規模で利用し合法化する点で,現状の精神医療と同じレベルで考えることはできないが,実態としての保安処分は,措置入院制度を中心とする現状の精神医療が既に果たしているといえる.
そこで,昭和40年の精神衛生法‘改正’により,地域の第一線機関となった保健所の精神衛生活動を中心に,現状の精神医療を担っている地域精神衛生活動とは何かについて考えてみたい.
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