特別寄稿
改正刑法草案における"保安処分"制度新設に反対する
小林 陽太郎
1
,
本庄 茂敏
2
,
則松 正二
3
,
桑原 治雄
4
,
西川 滇八
5
,
西本 多美江
6
,
青山 好作
7
,
吉田 健男
8
,
石原 幸夫
9
,
森 武夫
10
1国立公衆衛生院
2大師保健所
3杉並西保健所
4三重県立高茶屋病院
5日本大学・医・公衛
6東村役場
7東京都衛生局医務課
8岡山大学・医・公衛
9神奈川県精神衛生センター
10広島大学・医・公衛
pp.71-75
発行日 1972年8月10日
Published Date 1972/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205128
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戦前からの長い経過を有する刑法の改正については,特に昭和36年に改正刑法準備草案および理由書の総論,および本年4月再び改正刑法草案付同説明書(法制審議会刑事法特別部会)が出され,"これに対する各界の意見や批判を今後の立法作業に反映させていく必要があると考えられる"という趣旨で公表された。
この改正刑法草案のなかに記されている"保安処分"に関して,日本公衆衛生学会では,昨年の総会で緊急提案され,以後"保安処分に関する委員会"を設けて検討した結果,公衆衛生活動を行なうため,および広く一般市民の人権の侵害の危険性の理由で,これに強く反対することに決し,本年6月20日付で下記の"保安処分制度新設に反対する意見書"を学会理事長名で,法制審議会刑事法特別部会,中央精神衛生審議会,法務大臣,厚生大臣,刑法学会などへ提出した。
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