特集 公衆衛生当面の課題(第13回社会医学研究会特集)
公衆衛生と保安処分
大平 昌彦
1
,
乾 死乃生
2
,
丸山 創
2
,
青山 英康
1
1岡山大学衛生学教室
2大阪府藤井寺保健所
pp.783-798
発行日 1972年12月15日
Published Date 1972/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204590
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報告・討議を始めるに当たって,座長の一人である青山より,本研究会で「保安処分」問題が,公衆衛生活動との関連で討議されることになった経過が報告された.青山は,昨年の第12回社会医学研究会の総会の際に,社会医学研究会としては,単に「保安処分」新設に反対する決議を行なうのではなく,全会員が各自の日常活動の場面で,この問題に取り組み,一年後にその活動結果を報告し合うとの決議がなされたが,今回の討議がこの決議の実践として持たれたものであることを指摘し,さらに昨秋の第30回日本公衆衛生学会総会において,「若い公衆衛生従事者の集い」に結集する社会医学研究会会員の有志の提案により,「保安処分」に関する委員会(委員長:小林陽太郎)が結成されたことが報告された.その後この委員会委員でもあり,今回の報告者でもある桑原・森・吉田の三氏から,「保安処分」の問題を検討する場合,これを単に公衆衛生活動の一分野としての精神衛生活動との関連にのみ限定するのは,その問題の本質を見失う危険性があることが指摘され,この問題のより幅広い視野からの討議が必要であるとの結論に達した.
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