臨床薬理学・5
抗てんかん剤
保刈 成男
1
1日大医学部薬理学
pp.656-659
発行日 1972年5月1日
Published Date 1972/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916328
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てんかんと抗てんかん剤
意識消失発作を一般にてんかん(癲癇)とよび,発作そのものを意味すると同時に,疾患あるいは症候群をも含めている.かつては10歳以上のものを癲とし,10歳以下を癇とするという区別があったが,これらの言葉はてんかん大発作を意味していたものである.
てんかんは古くから知られている疾患で,古代ギリシアでは神の意志による神聖な病気と考えられていたが,ローマ時代には悪魔による病気とみなされ,以来中世にいたっても患者は全く非科学的な不当な扱いをされてきた.てんかんが医学的研究の対象となったのは比較的新しく,19世紀後半になってからのことである.
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