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まえがき
てんかんに対する臨床的,組織的,企画的,薬物療法はClouston1)(1868)のpotassium bro—mideの応用に始まつたと考えてよいであろう。彼は1カ月間薬物投与を停止し,しかる後に薬量を定め数カ月にわたつて発作の回数と投与量の関係を観察した。1912年Hauptmann2)によりPhe—nobarbitoneの抗けいれん作用が報告されるまでpotassium bromideはてんかんに対する唯一の薬剤であつた。
Phenobarbitoneの抗けいれん作用は,それのもつ鎮静,催眠作用から一躍して最も有効な抗てんかん剤としてとりあげられ,数多くのPheno—barbitone誘導体について追試が行なわれてきた。この追試はDiphenylhydantoin (Aleviatin)の効果がMerrit&Putnam3)4)(1938)(1940)によつて確かめられるにいたり以後大発作型にはPhenobarbitoneの併用によりすばらしい成績を示すことがわかつた。Oxazolidine dioneに属するものが小発作にきわめて有効であることが知られたのはStoughton5)(1941)およびRichards & Perlstein7)らによつたのであり,Fränkel8)やSpielman,Geiszler & Close9)らの経験によりPhenurone (Acyl urea)が精神発作に対してどれよりも効果的であることがわかつた。電気生理学の発展に伴ない単一neuronの興奮,鎮静等の経過を追いかけることができるようになつてから,さらに抗けいれん剤の研究はきわめて活発となりBarbitoneやBarbitone以外の多くの誘導体がscreeningにかけられている。Crampolというのは,PhenuroneのmethylのHのひとつがethylに変わりNH2がNHCO—CH3になつたものである。最近われわれは大日本製薬よりこの製剤を分与されたので臨床実験を試みた以下はその成績の大要である。
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