最近の検査技術
生体材料からの抗てんかん剤の測定
仁科 甫啓
1
1虎の門病院生化学科
pp.34-40
発行日 1979年1月1日
Published Date 1979/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201765
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現医療下における薬物療法が重要な役割を果たしていることは改めて論ずるまでもないが,その反面,薬害としての副作用も大きな社会問題として浮き彫りにされ,薬物の有効性と安全性をめぐって,科学的な基盤に立っての投与方法の検討が要求されてきている.とりわけ,抗てんかん剤や抗うつ剤のような長期間投与で,かつ,有効量と中毒量の幅が狭い薬物では合理的な投与計画の設定が不可欠となる.この合理的な投与計画を実施するためには薬物の薬理的作用,更に体内中での代謝機構を理解するとともに,体内での分布,特に正確な血中濃度の把握が必要となる.
そこで,最近注目されてきている生体材料から抗てんかん剤の検出とその濃度測定について,二,三の解説を試みる.
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