特集 医療と人権
看護婦の立場から
患者の人権と看護
清水 昭美
1
1千葉県衛生専門学院
pp.31-36
発行日 1971年1月1日
Published Date 1971/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915876
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患者の人権と看護をのべる前に,人権についてふり返ってみたい。
人権について
日本では,明治になるまでは人権という考えはなかった。そして人権という思想が日本で本当に根をおろしたのは,日本国憲法においてである。
これまで一般市民の人権はどう扱われてきたかというと,一人ひとりの生命,幸福は無視され,生産のための道具として,「職工事情」「女工哀史」にみるように,使い捨ての消耗品であった。戦時には戦力としての人命であり,「生めよふやせよ,お国の宝」といううたい文句で,お国のための消耗品としてかり出されていった。
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