セミナールーム・心療内科
自律訓練(Ⅱ)—心身相関
石田 行仁
1
1専売公社東京病院
pp.62-63
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914572
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心身医学でいう「心」とは,感情や身ぶりまで含めた「ことば」であると定義した。犬のように音,匂,光などだけで,われわれは生きていない。第1信号糸だけでは生活していない。第2信号系の助けにより「ことば」で生活している。「ことば」と肉体とはひとつにして、不可分のものである。無条件反射を土台として高等動物の最終器官である筋肉と腺とは,外界の変化に適応するためにほとんど第2信号系に依存して働いている。高位中枢は「ことば」に対応した神経結合を豊富にもっている。
さて、筆者は自律訓練法を自他に試みた時、たとえば「手足があたたかくなる」公式を体験した時には本当に温度が上がっているかどうかフト疑問をもった。そこでただちに皮膚温度計で測ってみたら,事実上昇していたので当時の素朴な筆者はビックリしてしまった。その発表後はもっと精密な方法と被術者を多数にした観察が、各大学・教室などから発表されたし,外国でも発表されていた。前述のことから当然の現象なのである,がその時はびっくりした次第である。
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