特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
小児心身症を改めて考える
心身症とは何か―心身相関の諸相
黒木 俊秀
1
KUROKI Toshihide
1
1九州大学大学院人間環境学研究院臨床心理学講座
pp.905-908
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000942
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はじめに
心身症(psychosomatic disorder)というと,私たちはどのような疾患を思い浮かべるだろうか。おおかた,過敏性腸症候群や機能性ディスペプシア,アトピー性皮膚炎,緊張型頭痛あたりであろうか。慢性疲労症候群や線維筋痛症のような原因不明の難治性疾患を思い浮かべる人もいるかもしれない。心身医学のパイオニアであるFranz Alexanderは,代表的な心身症として,本態性高血圧,気管支喘息,消化性潰瘍,甲状腺機能亢進症,潰瘍性大腸炎,関節リウマチなどを挙げたが,これらの疾患のなかには,現代では病態の理解が進み,有効な治療法が開発されると,必ずしも心身症として扱われなくなったものもある。
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