特集 看護研究を検討する—あるレポートを中心に
検討2
関係発展の看護からみて
松村 康平
1
1お茶の水女子大学
pp.36-38
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914147
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特色のあるチーム・ナーシング活動を知ることができる。関係者たちの努力に敬意を表する。
これは,看護活動の発展をもたらす優れた方法と考えられる。そして,この方法をさらにすぐれたものとするのは,活動に参加する人たち自身によってであることが考えられ,外部から意見をのべることはその活動の発展をもたらしにくいのではないかと考える。「患者中心の看護」では「患者の内的世界の発展」が尊重され,その看護者たち自身の内的世界の発展も尊重されることの重要さが,体験を通して認識される。患者との関係で,「受容」することが強調され,相手を理解しようとつとめる態度は,自分たちの看護活動にとって外部にあるものを理解しようとする態度と一致するもののようであって,その二つが著しくちがうものとなる場合がある。そうなりやすいとはいえなくても,患者中心の看護に徹すると,患者を理解するということは,理解しようとする人自身の自己理解に近いものとなり,それが患者自身の自己理解,自己実現を援助することになるという認識が強まってくる(と考えられる)。このような性質のある「患者中心の看護」をすすめる人たちの活動について,外部から意見をのべることは,その活動自身を尊重することになりにくい。外部から意見をのべても,その活動の発展をもたらしにくいという状況が,成立しやすい(と考えられる)。
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