特集 看護研究を検討する—あるレポートを中心に
検討3
人間同士の理解が優先
小田原 洋子
1
1北大病院精神神経科
pp.39-41
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914148
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この研究発表を読み終えた今,Iさんという患者が,現在では自己中心的でなくなり,心に余裕を持って入院生活を送っておられることを知り,本当にうれしく思いました。病院の看護婦として患者と接するようになって5年半,いつも私の心を占めていた患者との接触の仕方を取り上げている本題に接する機会を得たことは大きなプラスでした。
本題は看護婦だれもが日常悩んでおり困難とされているにもかかわらず,あまり大きな問題として取りあげられず,放っておかれやすいのが現実だと思います。チーム・ナーシングにおける看護で大切と思われる患者の問題を,個人の問題としてでなく全員の問題として取りあげ解決されたことには感心しました。その情況にあたった看護婦の感情によって多分に影響され,何とか納得してしまうことが多い現実,またチームの対人関係がうまくいかないと,患者に対する個々の看護婦の見方に相違があったりし,看護婦同士の感情がそのまま患者に対する接し方の相違として表われ,個人プレーが行なわれてしまう例が多くあるのを知っている私にとって,とても勇気のある看護だと思いました。
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