特集 看護研究を検討する—あるレポートを中心に
検討1
座談会 看護研究を終えて
足達 さだ子
,
小川 楫
,
深沢 栄子
,
坂元 ユウ
,
湯本 弘子
,
広瀬 周子
pp.20-27
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914141
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足達 ではこれから,先日研究発表をした“Iさんの看護研究を終えて”ということで,反省や今後の方向,日常の看護業務と看護研究との関連性など皆さんが日々の看護のなかで考えていることを大いに発言していただきたいと思います。私が司会をさせていただきながら,一緒に考えてゆきたいと思います。では看護揚面,A,B,C,Dで問題になっている点を拾い出してみます。
情況Aのところですが,ここでは第一番に患者のニードとナースの受けとめ方のズレが問題になっています。それから日常何か行為をした時に一瞬のためらいを持つことがありますが,それを再度確認しないで行為に移る。そういう点がこの場面で問題になっています。次に,この場面では夜勤がAナースとBナースの2人で展開されていますが,日勤の場合でもチームリーダーとメンバーとの間,チームの異なるナース同士で業務を依頼する人,される人のズレというか,食い違いが問題になっています。Bの情況では氷枕を欲しいと患者が言った場面ですが,新しく勤務交代して来たナースが「あの患者はこうだ」という申しつぎを受けて,それが非常に強く先入感となって次の看護行為に支障をきたしています。もう一つは画一的な看護行為が非常に患者に悪影響を及ぼしているという点です。
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