座談会
ナラティヴの10年―座談会を終えて
野口 裕二
1
1東京学芸大学
pp.17-18
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101520
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浸透したナラティヴの問題点
ナラティヴという言葉が看護の世界で語られるようになって10年が経過した。この10年の間に何が変わり、何が変わらなかったのかを明らかにすることが今回の座談会のひとつの目標だったが、その目標はおおむね達成された。
まずは、この言葉を使う看護職や研究者が少なからず出てきたことは大きな変化といってよいだろう。「言葉は世界をつくる」。ナラティヴという言葉を知らなかったときには、なんとなく空気のような存在に思えていたことが、この言葉を知ったことで、ナラティヴという名前をもった独自の現象としてとらえられるようになった。それ自体、看護の臨床的現実に大きな変化をもたらしたといえる。
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