連載 看護アセスメントの生理学的検証・12(最終回)
―座談会 連載を終えて―「看護の生理学」の無限の可能性
工藤 一彦
1,2
,
西村 ユミ
3
,
齋藤 やよい
4
,
川島 みどり
5
1女子栄養大学
2防衛医科大学校
3日本赤十字看護大学大学院看護学研究科博士後期課程
4千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
5健和会臨床看護学研究所
pp.942-948
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901721
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看護の成果の評価を試みて
川島 私たち看護婦は,よく経験的に判断してしまいます.二昔も前なら,管理者が自分の豊かな経験から「それはこういうものなのよ」と言えば,若いスタッフは反論もしませんでしたが,科学が進歩し,技術が高度になった今日,新しい教育を受けてきた若いスタッフには「こういうものなのよ」では通じません.近代的で合理的な看護管理をめざす上でも,看護問題や患者の状態の判断の裏づけをはっきりさせ,研究にアドバイスできる管理者であってほしい,そんな思いから本連載は始まりました.
第1回から第3回の「家族介護者の『負担』の評価」の研究では,「とも倒れ」「介護疲れ」などとさかんに言いながら,看護者は目の前の介護される人のバイタルチェックはしても,介護者のバイタルには非常に無関心だったことに気づかされました.一方,これを1つの研究として読まれた場合,特に病院の看護管理者は「自分たちの看護活動に直接は連動しない」と受けとめられたのではないかという心配もありますが,いかがですか.
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