医学と看護3月のテーマ
進行性筋ジストロフィー症の看護
宮沢 利喜恵
1
1国立療養所下志津病院
pp.53-56
発行日 1968年3月1日
Published Date 1968/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913913
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はじめに
進行性筋ジストロフィー症の患者は,全国で約4,000人ほどいるといわれ,最近世間の関心が高まり,政府としてもこの患者の収容と研究に力を入れ,国立療養所の9施設に約580名を収容している。当下志津病院においても進行性筋ジストロフィー症患者100名を入院させているので,進行性筋萎縮症の中から進行性筋ジストロフィー症の看護に焦点をしぼってのべる。
筋ジストロフィー症の中で患者数が最も多くその半数以上を占めるデュシェンヌ型筋ジストロフィー症は,ほとんどが男子に発病し,しかも悪性である。全身の骨格筋が極めて徐々に萎縮し,力が弱くなり次第に歩けなくなって,四つん這い,いざるなどから,ついには全身が骨と皮のように痩せて寝返りすらできない状態におちいる。しかし発熱や疼痛などで苦しんだりすることはなく,二次的障害により20歳前後にはたいてい肺炎などの合併症で一生を終わるものである。
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