医療の焦点
国民の側に立った医療体制を
水野 肇
pp.90-91
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913598
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日本では,ここ3,4年来,医療費問題が医療の中心議題になっている。病院,診療所の経営が苦しいとか,国民の負担が大きいとか.いわゆる“身につまされる問題”が焦点になっている。だが,見方をちょっとかえると,こういった問題に目を奪われ,労力をさき,血道をあげている間に,ほんとうは,もっともっと前進しなければならない医療面が停滞したままになつているように思える。10年1日のように総合病院でカゼや腹痛の患者をさばいているだけが医療の本来の姿ではなくもっと医学の進歩に応じた医療の体制がたてられなければならないと思う。
たとえば,スエーデンの病院をみると,単に数字の上からみただけでも,全病床のうち約30%が精神病棟,約40%がリハビリテーション用のベッド,総台病院が約20%,慢性疾患用ベッドが約6%となっている。
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