ナースひとり世界を行く・7
美しいポーズを大切にする人びと
菅 和子
1
1東京女子医大病院精神科
pp.66-67
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913316
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/闘牛士の勇気と美しいポーズ/
日本なら少年たちはプロ野球の選手にあこがれ,英雄のように思うように,スペインでは闘牛士がそれである。時代と共にフットボールの選手にもだいぶ熱をあげるようになったということだが,まだまだ闘牛士ほどではなしという。
4月の木曜日と日曜日は闘牛の最もさかんな時期である。スペインの国技である闘牛は,フィリップ4世時代のきらびやかな衣服をまとった闘牛士の入場から始まる。paso dobleが鳴りわたる。暗い小屋に入れられていた猛牛は,突如,小屋の戸をあけられ,陽で目を射られる。背中をヤリ棒でつつかれ,牛は観衆の中に入って来る。闘牛士の助手たちがtoro(牛)をcapote(黄色とオレンジ色のマント)であしらって,それぞれの芸をみせる。picador(槍方)が馬にまたがって出て来て,toroの背に傷を負わせるが,この時の出血は目をおおうばかりである。一方,馬の方も目かくしをして,よろいをつけてはいるが,toroの角でつき上げられ,大腸,小腸が外部に露出して犠牲になることもあるという。
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