ナースのための臨床薬理
大赤血球性貧血の治療薬—ビタミンB12,葉酸製剤
橘 敏也
1
1聖路加国際病院内科
pp.4
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913058
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1925年Castleは,悪性貧血の治療実験から悪性貧血には牛肉と健康者の胃液を必要とし,それを別々に与えたのでは効果のないことを明らかにし,この実験観察から,悪性貧血の治療には二つの因子,すなわち,食物中に含まれる外因子extrinsic factorと,胃液の中に含まれる内分子intrinsic factorの必要なことを主張した。
その後化学が発達して,ビタミンB12が純粋な形でとり出されてみると,それがCastleのいう外因子であることが判明した。そして近ごろではこのビタミンB12は食物中で蛋白と結合して存在するが,内因子の作用を受けて部分的な加水分解を受けてPolipeptideの形となって吸収されるというように,Castleの内因子,外因子の関係が説明されるようになってきた。
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