特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
ビタミン
ビタミンB12,葉酸
橋詰 直孝
1
,
内田 菜穂子
1
1和洋女子大学生活科学系人間栄養学研究室
pp.288-289
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104769
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ビタミンB12および葉酸の異常値の出るメカニズムを表1に示した.
ビタミンB12が低値に出る場合は,内因子欠乏以外に胃切除,吸収不良症候群,盲管症候群,Zollinger-Ellison症候群,慢性膵炎,Kostman症候群,Imerlund(選択的ビタミンB12吸収不良),先天性トランスコバラミンⅠおよびⅡ欠損症などの吸収障害が最も頻度が高い.アルコール依存患者でも起こるが,頻度は低い.ビタミンB12の競合は広節裂頭条虫,ランブル鞭毛虫で起こる.薬物はネオマイシン,コルヒチン,パラアミノサリチル酸,ビグアナイドで起こる.葉酸が低値に出る場合には,アルコールなどによる吸収障害が最も頻度が高い.
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