Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「エミリー・ローズ」―感覚過敏の二次障害としての憑依
二通 諭
1
1石狩市立花川南中学校
pp.999
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100402
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貴方には悪魔や,悪い霊が取り憑いていると言われても多くの場合バカバカしいと一蹴して終わりだろう.もちろん,少数ながら当事者として苦しんでいる人がいる.精神科でうつ等の診断を受け,薬を処方してもらいながらも,本当は霊が取り憑いていて徐霊が必要なんだよねと話す人もいる.そんな話を聞いても,それはある種の妄想なんだからお医者様の立てた方針に従うべきだと考えるのが通常の反応というものだろう.
ところが「エミリー・ローズ」(監督/スコット・デリクソン)を観てしまうとそうもいかなくなる.これまで,オカルトだ,妄想だと思っていた話にもついつい乗ってしまう自分がいる.これは1970年代のアメリカで実際に起きた事件をベースにしたもので,悪魔祓いと精神医学の対立,換言すれば,神秘主義と科学主義の対立を描いた法廷劇である.
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