映画の時間
—フランスの文豪,モーパッサンの不朽の名作の映画化—女の一生
桜山 豊夫
pp.91
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208821
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今月はモーパッサンの小説を映画化したフランス映画,「女の一生」をご紹介します.古典文学を映像にする場合,読者には,作品のイメージと違うと感じられるリスクがある一方,小説を読んでない観客には時代のずれを感じさせる危険があります.そのうえ,古典作品の多くはすでに何度か映画化されていることが多く,過去の作品と比較されて評価されることもあります.モーパッサンの「女の一生」も過去に何度か映画化されています.本国フランスでは1958年に名優マリア・シェルが主演した作品だけですが,わが国では,舞台を日本に移して翻案した作品が,1928年(監督:池田義信,主演:栗島すみ子:松竹キネマ),1953年(監督:新藤兼人,主演:乙羽信子:新東宝),1967年(監督:野村芳太郎,主演:岩下志麻:松竹)と3回,映画化されています.
19世紀初頭のフランス,ノルマンディー.主人公のジャンヌは裕福な男爵家の一人娘として何不自由なく幸せに育ちました.両親から子爵のジュリアンを紹介され,互いに惹かれあって結婚し,幸せな生活が始まります…….
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