誌上セミナー 東京看護学セミナー集録・1
日本近代女性史—はたらく婦人のうつりかわり
一番ヶ瀬 康子
1
1日本女子大
pp.14-19
発行日 1966年2月1日
Published Date 1966/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912622
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職業というものの意味
女性史といっても,女性一般だと大へん幅が広くていろいろな女性の中にも階属あるいはグループがあって,一律に論じることも大へんむずかしい。それで,きようは婦人労働の歴史として日本を中心に外国の婦人労働の歴史も参考になることを含める。
看護婦さんの仕事というものも婦人労働の一部である。普通,職業という場合にはいろいろ意味がある。1つは社会的な分業を行なうというような意味でたとえば看護なら看護という仕事,あるいは教員なら教員という仕事を通じて社会的な役割を果たす。同時にすべての職業には経済的な意味がある。これは具体的にいろいろな労働を通じてみずからの労働力を提供すると共に賃金を得て生活をする,という資金所得を得るための労働である。
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